看護師辞めたい!辞めたい理由ごとの最適な対処法とは?

看護師をやめたい!そのやめたい理由ごとの最適な対処法とは?

「看護師を辞めたいのですが、どうしたらいいでしょうか」という相談をよく受けます。

なんでも、日本医療労働会の調査によりますと、看護師のなんと4人中3人が、やめたいと思っている、思った経験があるのだとか!

看護師の仕事は体力的にもハードな上、不規則になってしまうので、どうしても生活が乱れやすくなります。
さらに患者さんの命に関わる、ミスが許されない環境に長く身を置いていると、常に強いプレッシャーがかかった状態になります。心身ともに大きなストレスを抱え、辞めたいと思ってしまうのは仕方ありません。

こうした、看護師ならではの仕事のつらさはほかの職種の人にはなかなか理解されないものでしょう。
しかし、上司や同僚に「看護師をやめたいんだけど、どうしたらいいかな?」と相談することなんてできませんよね。
誰にも本当の思いを分かってもらえず、つらい気持ちを吐き出すことさえできません。

私は、悩みに悩んだ看護師さんに「もう、やめてしまいたい」と思いを打ち明けられたときには、最適な道を探すためにも「なぜやめたいのか」と、じっくり話し合うようにしています。

すごくつらいときでも、誰かに心情を伝えるだけでも気持ちが楽になり、話しながら整理できます。
そしてやめたい理由が分かれば、それでは今後どうしていきたいのか、と前向きに考えることができます。

看護師の経験があるものの、現場の仕事をやめた人は、潜在看護師と呼ばれます。
その数は、全国でおよそ70万人。
そのうち、およそ40%は「もう一度看護師として働きたい」と考えているのだとか。
やめるという決断に後悔している人がすごく多いということですね。

このような思いをしないよう、看護師をやめたいと思ったときには「本当にやめるべきか、それ以外に道はないのか」について、じっくり考えましょう。

今回は看護師をやめたくなるわけと、それぞれの対処法をご紹介します。
現在「もう、看護師の仕事をやめたい!」と考えている看護師はもちろん、辞めたいとまでは思わなくとも将来に不安を感じる人も含めて、すべての看護師の方にぜひ読んでもらいたいです。

看護師をやめたいと感じてしまう5つの理由

看護師をやめたいときによく挙げられるのは、次のような5つの理由です。

・ライフステージが変わった
・労働環境に不満がある
・人間関係がつらい
・仕事が思うようにできない
・理想と現実のギャップがある

これらを、看護師のリアルな悩み投稿とともにさらに詳しくご紹介していきますね。

ライフステージが変わった

もっとも多い理由が、結婚や育児というきっかけ。

こうした退職理由は、女性が働く上で切り離せない課題と言えるでしょう。

妻や母親としての役割を果たすため、家庭のために使う時間を作りたいと考える人が増えます。
看護師は基本的に休みも少なく、長時間労働であることから、家庭やプライベートのためにやめたいと思うようになるんですね。

労働環境への不満

続いて、労働環境への不満です。

長時間労働や、それに見合わない低賃金といった環境の悪さから、看護師をやめたいと悩む人も少なくありません。

特に休みがとれないこと、残業が多いことが負担となって、看護師をやめたいと考えることはめずらしくありません。

丈夫な看護師さんであっても、夜勤によって体調を崩すことはめずらしくありません。
周りが当たり前のように夜勤をこなしていると、ついつい無理をしてしまうのです。

人間関係がつらい

女性が多い看護師の現場では、悪化する人間関係が理由でやめたいと思う人もいます。

信頼していた上司や同僚達がいざと言うとき味方になってくれないとどうしようもなくなってしまいますよね。

仕事ができない

新人看護師は、常に強いプレッシャーやストレスにさらされています。

新人であっても、患者さんからすれば一人前の看護師です。
てきぱき働き、いつでも正確な対応が求められ、トラブルが起きたときには、きちんと正しく対応しなくてはいけません。
万が一ミスをしてしまったときには先輩や上司からきつく叱られ、ふがいなさを感じるでしょう。

トラブルが重なると「看護師に向いていないんじゃないか」と自己嫌悪になり、看護師をやめたいと考えてしまいます。

看護師の理想と現実とにギャップがある

あなたは、なぜ看護師という仕事を選んだのでしょうか。
「困っている人を助けたい」と看護師に憧れを抱いた人も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ看護師として働きはじめてから、思い描いていた姿とは違うとギャップを感じることもあります。

理想が高いほど、ギャップによりやりがいを感じられなくなり、看護師をやめたくなってしまうのです。

以上の5つのうち、共感した理由はありましたか?

どの理由でも、強いストレスを感じていることは変わりません。

私は看護師をやめたいと訴える人に対し、必ず「看護師をやめることでしか解決できませんか?」と聞いています。

それは、ストレスにさらされているとどんな人でもつい極端な選択をしがちだから。
先ほどお話ししたように、看護師をやめた人は、その後およそ40%が復職を希望します。
同じ悩みを抱えないよう、看護師をやめる以外の方法はないか考えるべきです。

私が相談を受けた場合には、看護師をやめるだけでなく対処法を提案し、一人ひとりに最適なキャリアを考えていきます。

私の思う、看護師をやめたい理由ごとの具体的な対策について解説していきましょう。

看護師をやめたい理由5つの解決策について

それではさっそく、具体的な対策についてチェックしましょう。

1.ライフステージの変化が理由のとき

解決策1:現在の職場で勤務・雇用形態を変える
解決策2:夜勤・残業が多くない職場へ転職する

2.労働環境が悪いことが理由のとき

解決策1:待遇のいい転職先を見つける
解決策2:夜勤・残業が多くない職場へ転職する

3.職場の人間関係が悪いことが理由のとき

解決策1:女性ならではの人間関係を理解する
解決策2:環境を最優先しながら転職先を選ぶ

4.仕事に慣れないことがが理由のとき

解決策:新人看護師がどのように乗り越えているかを知る

5.理想と現実のギャップが理由のとき

解決策1:やりがいを見つける
解決策2:看護師資格を活かせる、ほかの仕事に転職する

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

1.「結婚や育児によってライフステージが変わった」ことで看護師をやめたいとき

ライフステージの変化が理由で看護師をやめたいとき、ネックになるのは不規則な勤務や長時間勤務です。

そのため、仕事と家庭を両立するため、勤務時間を調整する必要があります。
具体的な方法はこの通り。

【ライフステージの変化】解決策1.現在の職場で勤務・雇用形態を変える

まず、職場の上司に「勤務時間を見直したいのですが」と伝えましょう。

そのとき「他にママさん看護師がいない職場だし、私が意見したところで上司は相談に応えてくれないかも」と心配する人もいるでしょう。

しかし、人手が足りていない病院ほど上司が相談に乗ってくれる可能性は高いものです!

新しい人材を雇うには時間と労力がかかり、さらに人材が職場に定着するとも限りません。
すでに戦力として働いているあなたに、長く働いてもらうほうが安心感があるのです。
これまでの仕事ぶりの評価が高いほど、上司もうまく調整してくれるでしょう。

しかし、職場によってはどうしても調整してもらえないこともあります。
その場合は、夜勤や残業が少ない医療施設に転職しましょう。

【ライフステージの変化】解決策2.夜勤・残業が多くない職場へ転職する

現在の職場で勤務時間を調整できないのであれば、夜勤や残業が少ない職場へ転職することがおすすめ。
次のようなの転職先なら夜勤がなく、日勤のみの可能性が高いです。

・老人介護施設
・訪問看護ステーション
・小さな診療所・クリニック

さらに、勤務スタイルを非常勤、すなわちパートやアルバイトなどに変えるという選択肢もあります。

非常勤は、時間の融通がききやすいというメリットがあります。
一方で、日勤のみや非常勤で働く場合、常勤と比べて給料が少なくなりやすいため、注意が必要です。

また、勤務先を選ぶとき意外と忘れてしまうのが、自宅から勤務先までの「通勤時間」です。
通勤時間が短ければ、その分プライベートの時間も作りやすくなるので、なるべく近所の職場を選びましょう。

結婚や育児などのライフステージの変化で看護師をやめたいときには、給料と時間について、ちょうどいいバランスで働ける職場を探しましょう。

2.「長時間労働、低賃金など職場に不満がある」ことで看護師をやめたいとき

現在の待遇に不満があれば、最初にあなたの給与水準と平均を比べてみましょう。

求人サイトナースフルが調査したデータによれば、25歳~29歳の看護師における平均年収はこのようになっています。

病院の場合:413万8,714円
クリニックの場合:392万4,870円
訪問看護の場合:420万円
医療施設でないの場合:359万3,733円


さまざまなデータと比較した上で、やっぱり現在の給与水準が低いのであれば、待遇のいい職場への転職を検討してもいいでしょう。

【長時間労働、低賃金など職場に不満がある】解決策1.待遇のいい転職先を見つける

具体的に、次のような勤務先は給与水準が高くなります。

●私立大学病院
学校法人としての収入がある私立の大学病院は、比較的余裕のある経営をしている可能性が高いものです。
また、病床数が多いほど患者さんひとり当たりの経営コストも下がり、効率的な経営が可能になりまます。
その分看護師の給料も高くなり、手当や福利厚生も充実します。

●訪問看護
時間外手当・オンコール手当をはじめとした、各種手当が充実しています。
現在、人手が足りていない訪問看護ステーションが多いことから、人材確保のために看護師の給料水準を高めに設定している施設も少なくありません。

このほかにも昇進や専門的な資格の取得によって、給料アップを目指すこともできます。

収入アップのための詳しい方法は、こちらの記事で紹介していますので、待遇が不満な人はぜひチェックしてくださいね。

【長時間労働、低賃金など職場に不満がある】解決策2.夜勤・残業が多くない職場へ転職する

長時間労働のつらさで悩んでいるときは「ライフステージの変化」と同じように対処しましょう。
まずは上司に働きかけることが大切です。
それでも改善が見込めないのであれば、本格的に転職も考えましょう。

3.「職場の人間関係が悪い」ことで看護師をやめたい場合

看護師の職場は女性が多く、女性特有の人間関係の難しさにも悩むでしょう。
具体的な対処は次のとおりです。

【職場の人間関係が悪い】解決策1.女性ならではの人間関係を理解する

女性は「自分は自分、他人は他人」と考えることがしにくい傾向にあると言われています。
つまり、自分とは異なる意見やライフスタイルを尊重することができず、反感を覚えてしまうのです。

さらに看護師は専門職のため、どんな職場にもキャリアの長い先輩がいるでしょう。
新卒とベテランでは年齢差も開いてしまいますし、その中で独身、結婚している人、子供がいる人とライフスタイルも別々。
考え方やライフスタイルは、一人ひとり違っていて当たり前です。

しかし、ストレスのある環境では自分と違う人を攻撃して、自分らしさを肯定しようとします。
残念ながら、どんな職場にもこういう考えの人がいるもの。

これらのトラブルを避けるためにも、あなたは自分とは違う考えの相手を許し、苦手意識をもたないようにしましょう。
感情的にならずとも、苦手意識があるだけで相手に伝わり、いい関係を築きにくくなります。

あなたの意識を変えることで、職場の人間関係を改善させることが理想ですが、そうはいってもなかなか改善できない職場もあるでしょう。

そんなときは、思い切って転職を選ぶことによって、新しい職場で気持ち新たに頑張るのもいいのではないでしょうか。

【職場の人間関係が悪い】解決策2.環境を最優先しながら転職先を選ぶ

職場の人間関係に悩んで転職するなら、必ず職場見学をしましょう。
職場見学とは、就職前に職場を実際に見学させてもらう制度です。

そのとき特に注目すべきなのは、これらのポイントです。

●看護師について
職場見学を申し込んだときの看護師の対応はよかったか
看護師は、患者さんに対して尊重する姿勢があるか
若い看護師さんも笑顔で楽しそうに働いているか

●患者さんについて
患者さんは、誰もが居心地よさそうにしているか
患者さんと看護師は、親しげに相談や雑談をしているか
患者さんの周りは、清潔な状態になっているか

転職前に職場について細部まで詳しく知ることとは難しいですが、それでも自分の目できちんと確認しておくことと、ほとんど知らないまま就職するのでは雲泥の差があります。
実際に足を運んで「なんだか素敵」とか「なんかイヤな雰囲気」というような、雰囲気を知っておきましょう。

4.「仕事ができず落ち込んでいる」ことが原因で看護師をやめたい場合

新人看護師の皆さんに第一にお伝えしたいのは「ベテランの先輩たちも最初は同じ気持ちだった」ということです。

仕事がうまくできず落ち込むのは、あなた個人の能力に問題があるのではなく、新人で仕事に慣れていないから。
そのため「自分はダメだ、看護師に向いていないんだ」なんて考える必要はありませんよ。

職場に一人でも相談しやすい先輩がいれば、先輩が新人時代はどうしていたか、またどのように乗り越えたか聞くのもいいではないでしょうか。
「先輩たちも、私と同じ新人時代を通り過ぎて今があるんだ」と思えるはずです。

新人の頃は仕事を覚えなければならないのでとても大変な思いをしますが、徐々に経験やスキルが身につけば、自信もつくはずです。

5.「看護師の理想と現実とにギャップがある」を感じ、看護師をやめたい場合

理想と現実のギャップに苦しんでいる人とは、つまり「自分の理想の姿を具体的に思い描いている人」ではないでしょうか。
それは、とても素晴らしいことですよね。
しかし理想が高すぎて仕事のやりがいを感じられないのは残念なので、どう解決すべきでしょうか?

【看護師としての理想と現実とのギャップ】解決策1.やりがいを見つける


理想と現実のギャップがあるときには、ぜひ一度仕事を見つめなおしてみましょう。
仕事のやりがいを見つけることで、感じているギャップが解消されることがあるものです。

それでも、どうしてもやりがいが見つからないこともあるでしょう。
そのときは、ほかの施設への転職、看護師以外の仕事への転向も視野にいれてください。

【看護師としての理想と現実とのギャップ】解決策2:看護師資格を活かせる、ほかの仕事に転職する

医療施設への転職のコツは前に説明しているので、ここでは看護師資格を活かして別の職種に転職するためのコツをお伝えします。

それは、企業で働く「産業看護師」になること。

産業看護師には、4つのパターンがあります。

・企業の医務室や健康管理室における看護・保健業務
・治験関連企業における治験コーディネーターや臨床開発モニター
・医療機器メーカーにおけるクリニカルコーディネーター
・健康相談も受け付けているコールセンターでの対応

看護師をやめたいと感じる理由は人によって違い、もちろんぴったりな対処法も違います。

まずはやめたい理由を明確にして、看護師をやめる以外には選択肢がないか考えましょう。

この記事で「看護師をやめたい」という悩みを解決へ導くことができたら、光栄です。