仕事ができない看護師の特徴!ミスはどこで起きる?対処方法は?
看護師として働く上で「仕事ができない」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
また、残業が多くハードな毎日を過ごしていることからも「もう嫌だ!」と感じやすくなってしまうのです。
病棟のシステムや人員不足も関係していると思いますが、ひょっとしたら仕事の要領が悪いのかもしれません。
この記事では、私の経験から仕事ができる看護師とそうでない看護師の違い、ミスが起きやすいポイント、改善方法などをご紹介していきます。
どんな看護師も失敗はする!
まず、大前提として、どんな人でも必ずミスをするということを理解しておきましょう。
そしてどんな看護師も、ミスを繰り返しながら成長していきます。
大切なのはミスをした理由や、今後防ぐためにはどうすればいいか考えることです。
ここをうやむやにしたり、隠したり、ごまかしたりしていても、看護師として成長することはできません。
ミスが起きやすいポイントと改善方法
看護師の仕事において、重大な事故にもつながりかねないミスやインシデントは許されません。
その一方、どうしても人間である以上ミスは起こるもの。
まずは、特に注意すべきポイントと対処方法を考えていきましょう。
チェック不足
薬剤がらみのインシデントで起きやすいのがこちら。
違う薬剤を投与した、患者さんを取り違えたなどのミスは、特に起こりがちです。
病棟や診療科を問わず、インシデントの起きる理由として避けられないのがチェック不足なのです。
対処方法
◆指さし確認
新人の頃は徹底していた人も多いはずの指さしチェック。
目視だけの場合より効果的なため、経験を重ねてからも続けましょう。
◆声出し確認
患者さんに薬を渡すとき、点滴を投与するときには、声に出すことを徹底しましょう。
これによって自分はもちろん、患者さんも間違いがないかチェックできます。
患者さんが「あれ?」と声をかけてくださり助けられることも多く、インシデントをより防ぎやすくなります。
◆ダブルチェック
「他の看護師は忙しそうだから」とか「人手が足りなくてみんな大変だから」などの思いが、チェック不足やそれによるインシデントを招きます。
インシデントが発生したら医師への報告や検査出しなどますます仕事が増えてしまうことを考えれば、あらかじめ複数の目でチェックするほうがよほど効率的と言えるでしょう。
焦りがミスを招いてしまう
インシデントが発生しやすいタイミングとして、処置が重なっているときや、急変患者がいたときなど、特に忙しいタイミングが挙げられます。
できる限り冷静な対応を心がけるだけで、インシデントが起きにくくなりますよ。
対処方法
◆周囲の雰囲気に飲まれない
周りの看護師が慌ただしく、ピリピリしていると、自分は忙しくないはずなのになぜか焦ってしまう……ということがあります。
雰囲気に飲まれず、常に自分のすべきことを判断して、惑わされないようにしましょう。
◆一呼吸おいて対応する
忙しく、焦ってきたときこそいったん手を休めて、一呼吸おいてみましょう。
深呼吸をしながら「きっとなんとかなる」と前向きに考えるほうが、不思議と物事もいい方向に進んでいくものです。
反省が不十分
事故やインシデントには、必ず原因があります。
その原因を見つけて同じインシデントをしないようにすることが、次のミスにつなげないための鍵となります。
対処方法
インシデントレポートは、振り返りをするための絶好のチャンスです。
「またインシデントをやっちゃった、インシデントレポート書かなきゃいけないの大変だな」という風に、インシデントレポートそのものを義務的に捉えていませんか?
インシデントレポートは、自分と向き合い対処していくためのものです。
例えば投薬にまつわるインシデントでも、薬品を間違えたのか、混注時のミスなのか、患者さんの名前や投薬時間を間違えたのかによって、次に気をつけるべきことは違います。
原因が不明、理解していない状態では、改善へ導くことは難しいでしょう。
また、何度も同じようなパターンでインシデントが起きているのであれば、より細かく原因を分析した方がいいでしょう。
気持ちを切り替えて業務に当たる
新人看護師の方に覚えておいてもらいたいのですが、インシデントを起こしたときには「引きずらない」ことが大切です。
新人看護師を指導する側も、事故やインシデントがあったときには責めずにじっくり向き合ってください。
本人がもっともショックを受けているため、追い打ちをかけて説教しても、委縮させるばかりでときにはさらなるのミスの誘発にもつながりかねません。
対処方法
事故やインシデントを起こしてしまった看護師は、すぐに責任者や先輩に報告して対応について指示をもらってください。
ごまかしたり隠したりすると、ますます悪化しかねないため、必ず正直に、そして素早く報告しましょう。
その後は「誰でもあること」と引きずらないようにしてください。
例えば友達と遊んだり、飲みに行ったり、趣味に打ち込んだりしながら気持ちをリセットすることも大事ですよ。
事故やインシデントが続いてしまうことなんて、看護師なら誰でも起こりうることですから、引きずらずに乗り越えて成長しましょう。
自分の気を引き締める
他人のインシデントについて「自分じゃなくてよかった」と思ったことはありませんか?
誰にでも起こる事故やインシデントは「明日は我が身」として、気を引き締めるいいタイミングだと考えてくださいね。
対処方法
他人が起こしたことでも「もし自分の場合なら」と考え、原因や対処方法、予防方法を考えてみましょう。
事故やインシデントは、新人だけでなくベテランの看護師が起こすことも多いのです。
慣れているからこそ起きてしまう事故やインシデントもめずらしくないため、いつでも他人事にしないように向き合いましょう。
リスクマネージメント委員会、事故防止委員会などを設置することで、事故やインシデントを周知できるように努める病院も多いです。
「自分ならやらないだろう」「なんでこうなっちゃったんだろうね」と他人事に考えず、自分も起こすかもしれないと常に考えていることで、予防・対策を行いましょう。
できる看護師とできない看護師の違い
常に知識を蓄える努力をしている
仕事ができる人は、さまざまな分野への知識が豊富だからこそ、先読みしながら効率的に動くことができます。
もちろん、誰でも今すぐできるようになるものではありませんが、やはり努力を怠っていると患者さんの状態を確認したところで、しっかりとした考察ができず効率もダウンします。
看護学校で学ぶ内容はもちろん、診療科の専門知識、薬の知識などを基盤に、あらゆる知識を組み合わせて考える習慣をつけましょう。
「患者さんの状態は?」、「使用した薬は?」、「副作用かもしれない」、「次にこんな反応が出るかもしれない」と、情報を組み合わせながら、柔軟に考え、看護にあたってください。
たくさんの情報を吸収できる
仕事のできない看護師は、ラウンドでも血圧や体温といった基本的な情報しか得られませんが、仕事のできる看護師は一度にさまざまな情報を吸収できます。
患者さんの顔色から状態を考えたり、今後どのような治療が必要か考えたり、起こりうることを予測できるのです。
一つの情報しか確認できないと、申し送りの際に先輩から確認されて答えられない……なんてことになりかねません。
かと言って、一度のラウンドで5~10分かかるからこそ、何度も何度も足を運んでいるとどうしても効率が悪くなってしまいます。
効率的に進めるためにも「患者さんは今後どのようなことが予測され、どのように当たればいいか」と考える力が必要です。
もちろんいきなりできるようになるわけではありませんが、経験を積む中で少しずつできるようになりましょう。
一度のラウンドでもさまざまなことに気がつければ、あらゆる対処ができるようになるはずです。
いち早く準備に取り掛かる
仕事ができる看護師は「何も準備していなかった!」とバタバタすることなく、必要なものを事前に準備してさまざまな状況に応えることができます。
例えば「緊急入院」という場面に遭遇した場合、すぐに仕事の手を止め受け入れる準備を整えられる看護師はできる看護師と言えるでしょう。
チーム医療の場合にも、自分の仕事をいち早く片付けたり、積極的に周りの看護師を手伝ったりできます。
必要な物品を準備するのはもちろん、いち早く看護計画を立案したり、カルテ作成をしたりすれば、処置がスムーズに行えるようになります。
できない看護師は、突然のできごとに精一杯になり、準備をしないまま患者さんを迎えてしまいます。
日頃から時間に追われやすく、勤務時間内に仕事を終えるのも難しいと残業も増えていくでしょう。
できる看護師になるためには、仕事が早い人の手順をよく観察してみましょう。
どのように準備をしているか知ることで、自分の業務にも活かしていくことができますよ。
時間を逆算して行動する
例えば、仕事ができる看護師の場合「この時間に手術をする」と決まれば、そこから逆算して何時までに何をすればいいか分かります。
もしイレギュラーなトラブルが起きても、優先順位や時間配分を変更すれば対応できるため、あわただしい思いをせずに手術に迎えられるのです。
時間の使い方が明確でない看護師の場合、時間配分をしないまま処置やケアに取り掛かってしまい、ばたばたしてしまいます。
上手な時間の使い方を身につけるためには、まず物事の優先順位を考えることが外せません。
例えば、患者さんのバイタルサイン測定などは、緊急性の高い作業とは言えないでしょう。
時間がかかる業務だけは片付けておき、残りは手術出しのあとやるというように優先順位を決めれば、焦る必要がなくなります。
そして「どんな業務にどれだけの時間をかけていいのか」を考える癖をつけなければ、時間の使い方はうまくなりません。
何分以内に作業を終わらせる、とあらかじめ決めた上で行動すれば作業効率が変わり、イレギュラーなできごとにも対応しやすくなるでしょう。
ルーティンのとらえ方が違う
仕事ができる看護師は、ルーティンについて「なぜこうしないといけないのか」と理解したうえで、ときには自分なりにカスタマイズしています。
いい意味で手を抜いても事故やミスが起こりづらく、スピーディーに仕事を片付けます。
仕事のできない看護師は、ルーティンを理解せずマニュアル通りにしか仕事ができず、さらに事故やミスが起こしてしまいます。
効率的な仕事のためには、ルーティンについて、エビデンスを理解しましょう。
「絶対に外してはいけないポイント」を理解していれば、適度に手を抜きながらも早い仕事が叶えられます。
こまめに記録できる
仕事のできる看護師は、あとでまとめて記録するのではなく、手が空いたときに取り掛かります。
例えば、入院患者を担当するのであれば、入院のアナムネを取る際に電子カルテも一緒に持っていき、ちょっとした合間に少しずつ必要な情報や医師へのメッセージを入力します。
その場その場で対応すれば、入力もれも起こりにくくなるでしょう。
記録や入力作業を後回しにすると残業が増える上、細かい入力ミスも起こりがちになります。
もちろん、ケアが最優先ではありますが、すき間時間は意識しなければ作れません。
特に重要な情報や入力項目は、早め早めに処理しておくといいでしょう。
まとめ
看護師は、いつでも身体も頭もフル稼働しています。
だからこそできる看護師になるためには、意識を変えていく必要があります。
最初から「できる看護師」はおらず、失敗やさまざまな経験を重ねる中で、できるようになっていきます。
ぜひ、前向きな成長を目指しましょう。
今回の記事が、悩んでいる看護師にとって少しでも参考になればうれしいです。