HCUの看護師の仕事内容とは?メリット・デメリットと身につけられる知識についてご紹介
HCUという病棟名を聞いたことがありますか?
急性期病院では、ICUとともに、必ずある病棟が「HCU」です。
しかしHCUを知らない看護師の方もいると思いますので、今回はHCUと、そこで働く看護師の仕事内容について、メリット・デメリットとあわせてご紹介します。
HCUとは?
HCUとは、High Care Unitの略称であり、高度治療室のことを指します。
メインの患者さんは、重症で看護度の高い患者さんです。
ICUの必要はない程度に回復しているものの、一般病棟で管理していくには不安、もしくは難しい患者さんも少なくありません。
管轄も内科、外科といった違いはなく、さまざまな疾患を抱えた患者さんが入院していることが特徴です。
HCUの看護師の役割とは?
HCUは、言うならばICUと一般病棟のあいだの役割を果たします。
HCU看護師は、ICUレベルとまではいかずとも高度な集中ケアと、一般病棟に戻るための生活サポートの両方を行います。
HCUの看護師の詳しい仕事内容とは?
高度な集中ケア
一般病棟では1人の看護師が、7~10人ほどの患者さんを受け持ちますが、HCUは4人受け持ちが基本です。
オープンフロアでベットごとに1台モニターが設置され、呼吸や循環動態、意識レベル、IN/OUTバランスといった状態を観察しながら異変が起きた場合に早期発見を目指します。
複数の合併症を患う人もいるため、豊富な知識や高い観察力が必要です。
日常生活のサポート
患者さんの多くは、ベット上で生活されています。
HCUの患者さんがスムーズに一般病棟へ移れるよう、食事や入浴、排泄、リハビリの援助を通じて、自立支援をすることも看護師の大切な業務です。
HCUに向いている看護師は?
自己管理がしっかりできる人
HCU看護師は夜勤が多く、生活リズムが崩れやすくなります。
また、ADLも低い患者さんも多いので、おむつ交換や体位交換の頻度も少なくありません。
常に緊張感のある現場のため、精神的ストレスもかかりやすく、自己の体調管理や精神的ケアが必要になります。
好奇心・探求心が旺盛な人
最先端の医療が行われているHCUでは、常に新たな治療法や薬、医療機器が使われています。
入院患者さんは診療科が一つではないこともあるため、幅広い分野にわたる知識が必要です。
常に学びたいという意欲がないと、患者さんをきっちり看ることができず、苦しい思いばかりしかねません。
好奇心や探究心が旺盛な看護師であれば、新しい知識や技術をどんどん身につけ、成長できるでしょう。
HCU看護師の平均的な給料とは?
HCU看護師の給料は、一般病棟よりもやや高めです。
基本給についてはどのような病棟でもおおむね同じですが、HCUの業務では危険手当をはじめ各種手当によって数千円~数万円プラスになります。
また、一般病棟よりも夜勤が多いため、その分夜勤手当も多くもらえることから給料が高くなるのです。
HCU看護師のメリットとデメリット
患者さんとコミュニケーションを取りながら働ける
患者さんとのコミュニケーションの取り方も学びたい看護師に、HCUがおすすめです。
ICUは意識がない患者さんや、呼吸器によって会話できない患者さんも多く、会話できるレベルに回復した患者さんは他の病棟へ移っていきます。
HCUの患者さんの場合、ICUよりは重症度が低く、一般病棟に移るためのサポートの中で会話する機会も多いことがメリットと言えるでしょう。
デメリットは忙しく夜勤が多い
HCUのデメリットには、昼夜問わず急変や緊急対応があり忙しいことが挙げられます。
また、一般病棟と違って「月平均72時間」という夜勤制限がありません。
夜勤回数が月に7?8回ということもあり、生活リズムが崩れやすく身体も壊しがちになります。
HCUで得られることは?
高度な医療知識
高度治療室と言われるHCUは、高度な医療が行われています。
心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科の大手術を終えた患者さんや、人工呼吸器をつけた患者さん、集中治療が必要だと救急搬送された患者さんが来るため、HCUでは多様な経験を積めます。
HCUでの経験は、その後どのような診療科でも役立つでしょう。
急変対応ができるようになる
重症患者さんが多いHCUでは、集中管理をしていても、急変が起こる場合があります。
急変対応は知識があればできる、というものではなく、経験が必要不可欠です。
一般病棟に慣れた看護師は、患者さんが急変したときどうしたらいいかわからない場合も多いと思いますが、HCUで経験を積んでいくうち、次第に冷静な対応ができるようになります。
まとめ
今回は、HCU看護師の仕事内容や給料について、細かくご紹介していきました。
HCUは緊張感のある大変な現場ではあるものの、多くの経験ができ、大きなやりがいを感じられます。
興味を持った看護しは、転職先として検討してみるのもいいかもしれません。