病棟看護師の転職成功のコツ!スムーズに転職する方法と気を付けるべきことは?
多くの現場で必要とされる看護師だからこそ、転職を経験する人も多いもの。
その一方で「転職したいとは思うけど、求人数が多すぎて何を基準にしたらいいのか分からない」「見つけた転職先でうまくやっていけるか自信がない」ということもあるでしょう。
そこで、病棟看護師が転職を成功させるコツについて解説していきたいと思います。
私の体験談もあわせてご紹介しますので、転職の際の参考にしてくださいね!
病棟看護師が転職したいと思う理由
転職に踏み切る理由は、看護師によって大きく違います。
私が転職した際の理由は、夫の転勤でした。
また、周りの看護師たちの話を聞いていると、その他にも次のような理由から転職を検討することが多いようです。
・病院内の人間関係がいやになってしまった
・忙しすぎて家庭やプライベートがおざなりになっている
・仕事内容が厳しい、向いていないと感じる
・知識や技術が身につかず、ついていけない
・現在の職場では給料が心もとない
現役の看護師も、どきっとしてしまう項目があるのではないでしょうか。
実際に転職する際の理由は人それぞれ違いますが、看護師をしていて悩むところは似てくるはずです。
病棟看護師が転職したいと思ったら……
現状できることを探してみる
転職するにあたって時間や労力がかかることを考えると、悩みが解決した上で、現在の職場で働き続けられるのが一番ではないでしょうか。
もし現状を変えようがなく、人間関係や仕事内容がどうしても向いていないのであれば、他の病棟に異動することで働きやすくなるかもしれません。
【向いていないと感じたときの経験談】
私の勤務先でも精神科病棟で勤務していた看護師が「精神科病棟は自分に向いていなかった」ということから異動してきたことがあります。
彼女は今「毎日仕事が楽しくやりがいもある」と、のびのび働いていますよ。
転職前には、病院内での病棟や診療科の異動を検討するのがいいかもしれませんね。
転職によって解決しやすいお悩み
・お給料が安い
・残業が多すぎる
・研修が多すぎる
・夜勤がつらい
事前に転職先についてしっかりリサーチすれば、スムーズなお悩み解決を目指せます。
給料が安いなら今より待遇のいい職場に転職すれば解決しますし、夜勤が嫌になってしまったのなら日勤専従という働き方もあります。
転職しても解決しづらいお悩み
・人間関係
・仕事の責任が重い
・スキル不足
これらは、新しい職場でも変わらず悩まされ続ける可能性が高いと言えるでしょう。
看護師でなくとも人間関係に悩まされるものですし、反対に看護師だからこそどんな場所でも責任感が求められます。
スキルについては経験を積んでこそ習得できるものであることから、どの職場でも大きく変わりません。
転職すべきタイミングについて
日本看護協会では新人教育カリキュラムが用意され、新人看護職員の臨床研修は努力義務化しています。
教育課程を終えているのならば、基本的にどのタイミングでも転職に問題はありません。
しかし、病院側は中途採用者に病院側即戦力としての活躍を求めています。
転職を成功させ、より効果的に活躍するためには自分のタイプを分析してみましょう。
中途採用後もフォローがほしいのであれば……
・経験が5年以内と浅い
・経験したことのない診療科へ転職しようとしている
・環境適応力がない
・要領が悪く仕事を覚えることに自信がない
このタイプなら、新卒看護師とともに研修が受けられる4月ごろを狙って転職しましょう。
【中途採用にまつわる経験談】
以前、職場が同じだった中途採用の看護師は、新卒後3年で初めての診療科への転職でした。
しかし、経験のある即戦力の看護師として中途採用されたことが、プレッシャーになっていたようです。
「教えてください」「できません」とは言えなかったらしく、すぐに退職してしまいました。
中途採用の際には、早い段階で不安なことを明確にしておいた方がいいでしょう。
フォローがなくても大丈夫そうなのであれば……
・看護師としての経験が長い
・さまざまな診療科を経験している
・小さなことをくよくよ気にしない
・仕事を覚えるのがあまり苦にならない
このタイプなら、ボーナスを機に現場における離職が多い6月や12月ごろを目安に転職すれば、すぐに即戦力として活躍できます。
病棟看護師として転職する際の注意点
希望の病院についてよく調べる
病棟勤務では、診療科ごとに求められる知識やスキルが変わります。
特に前述の「中途採用後もフォローが欲しい」タイプの看護師が転職する場合には、十分注意しましょう。
・病院の規模や病棟数
・診療科の種類
・教育制度はフォローアップ体制はどうなっているか
・給与や手当の内容
・社会保険や福利厚生の内容
・時間外労働の目安
・夜勤の回数
・中途採用者にどのような活躍を期待しているか
上記のような項目について、あらかじめリサーチしておきましょう。
病院の規模が大きい場合、待遇が充実している分、即戦力としての活躍や時間外労働が求められます。
また、新人教育ありとしている求人でも、中途採用者には行っていない場合もあるため注意してください。
【病棟看護師として転職したときの体験談】
私は小児科病棟から一般病棟へ転職したことがあります。
同じ病棟勤務だから大丈夫だと思っていたんですが、子供と大人の看護ではすべきことが大きく違うんです!
それでも、転職先には中途採用のため新人のような教育制度はなく、即戦力としての活躍を求められました。
日々覚えなければならないことばかりで、泣き出したくなる日も多く大変な苦労をしました。
転職を検討していることは言わない
つい、職場の看護師に「私、いま転職活動してるんだ!」と言いたくなってしまいますが、絶対に辞めましょう。
人手の足りていない職場では、一人辞めるだけで、他のスタッフが無理をしなければいけないことも多いもの。
他のスタッフにとって、いい印象にはなりません。
もし転職活動をして「やっぱり、今の病院で働き続けよう」という考えに至ったときには、口外していた手前その後働きづらくなっていまいます。
【転職活動を口外することについての体験談】
私の同僚は転職活動をしていることを口外しているだけでなく「いい条件の病院がありますよ、一緒に転職しませんか?」と色んな人に言っていました。
噂は大きくなり、ついに上司の耳に入ってしまい、彼女の印象はかなり悪くなってしまいました。
「どうせ辞めるんでしょ」と言いたいかのようにきついシフトや厳しい指導をされ、責任の重い仕事もどんどんやらされていました。
この上司の対応も決してよくありませんが、もし彼女が黙って転職していれば、こうはならなかったのかもしれません。
就業規則をチェックする
病院ごと、退職にまつわる就業規則は違います。
例えば「退職する際には、2ヶ月以上前に報告する」というような内容です。
民法上は「退職を告げてから最短14日で退職できる」と定められているものの、就業規則も守るべきでしょう。
転職成功のポイント
譲れない条件をしっかり把握する
「なんとなく転職したい」「もっと楽に働けたらいいな」というように、漠然とした理由で転職活動をすると、病院を探すのにも時間がかかります。
そこで、これだけは譲れないという条件を明確にして、優先順位をはっきりさせましょう。
例えば…
・必ず給料アップしたい
・忙しい急性期病棟でなく、慢性期病棟で働きたい
・福利厚生が整っている職場がいい
・夜勤はしたくない
・自宅近くの病院がいい
・時間外労働は少ないほうがいい
など。
譲れない条件を出した上で、優先順位をつけて理想の職場に転職しましょう。
転職サイトを活用する
全国各地の病院の求人情報を管理している転職サイトを使えば、スムーズに転職できます。
独自のコネクションがある求人サイトなら、一般公開されていない情報をゲットできるかもしれません。
自力で情報収集しているだけでは、中途採用者を対象にした教育制度はあるかどうか、中途採用者に求めるもの、時間外労働時間、人間関係などを知ることは難しいものです。
転職コンサルタントはあなたの代わりに求人情報を細かく調べてくれるので、転職成功に近づけます。
【転職サイトにまつわる体験談】
まったく知らない地域へ転職したとき、知り合いもいない中、どんな病院が有名で、働きやすいのか分からない状況でした。
病院のホームページを見ても、分からないことだらけだったため、転職サイトを使うことに。
コンサルタントさんは、希望の条件に合う病院を探し特徴、看護師の年齢層といった知り得なかった情報を教えてくれました。
さらに面接にも同行してくれたので、かなり助けてもらえました。
転職に必要な心構え
転職を焦らない
もっとも大切なのが、この考えです。
「早く転職しなきゃ!」と思うと、判断が鈍り、妥協したり、これでなきゃいけないと思い込んでだりしてしまいます。
その結果、実際に働きはじめてから「失敗した」と思ってしまうのです。
転職するなら…
・いくつかの求人を比べる
・働いている人の口コミについても調べる
・転職コンサルタントのアドバイスを受ける
これらを意識しながら、焦らないように余裕のある転職活動を行いましょう。
円満に辞める
病院に不満があると「どうせ辞めるなら、文句の一つでも言ってやる!」と、わざわざ余計なことを言いたくなるかもしれません。
しかし、看護部長は他院の看護部長との横のつながりも多く、看護部長を通じて転職先に悪い噂が広がることもあります。
せっかく時間と労力をかけた転職で、余計に働きにくい状態にもなりかねません。
【看護師の噂にまつわる体験談】
あるとき、中途採用で転職してきた看護師がいました。
彼女は経験年数も長く、技術的にはかなり活躍していたのですが、あるとき勤務中に気に入らないことがあったらしく、新人看護師に対してひどい暴言を吐いたことがありました。
はじめてのことに驚き、他の看護師たちは新人看護師をフォローするとともに「あの人があんなに怒ってしまう前に、サポートをすればよかった」と反省。
同じことがないように手を尽くしていましたが、彼女はカッとなると止まらないらしく、上司にも暴言を吐くようになりました。
彼女の以前の勤務先の看護師に聞いたところ、彼女はその職場でも同じような対応をしていて転職に至ったそうです。
「周りがどれだけサポートをしても、本人が変わらないとどうにもならない」ということに気づいてしまい、それから私たちの印象も変わりました。
結果、彼女はまたすぐに退職してしまいました。
まとめ
今回の記事を読み、転職について考えるきっかけができたでしょうか?
「今の自分には、本当に転職が必要?」「どんな転職先がいい?」「譲れない条件は?」「私はどんな看護師と言えるんだろう?」
転職する際にはまず自分のタイプを理解した上で、焦らずにいくつの求人を比べることが大切です。
病棟看護師なら、転職先の病院規模や診療科によって業務内容が変わることもめずらしくありません。
転職のポイントを意識しながら、転職成功を目指してくださいね。